「ローカルベンチャー」(著:牧 大介)読みました

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基本、地方でビジネスを始めるのは難しいと思う。それは既存の地域エコシステムがあるし、新しいものを受け入れたりすることに抵抗が少なからずあるからです。
一方、地方は課題が山積しているため「課題解決型」の起業をするにはやり甲斐のある分野だと思います。そもそも地方には都市部が今後経験するであろう問題を既に経験しているため、逆タイムマシーン経営(?)が将来可能ではないかとも思うくらいです。
今回読んだ「ローカルベンチャー」は人口1,500人の岡山県西粟倉村で、年商5,8億円の売り上げを達成したという、「エーゼロ」、「西粟倉・森の学校」2社の代表・牧大介さんが、「地域にはビジネスの可能性が溢れている」ということを伝えるために、今まで蓄積してきた「ローカルベンチャー」実践者としての「今」を切り取ったものです。
幾つか気になったキーワードを切り出してみます。

「迷っている人が地域をつくる」
最近私も感じることで、「これを自分はやりたい」というものを明確に持っている人はそんなにいなくて、何かやりたいけど、やることが定まらないという人が多いですよね。試行錯誤してやりたいことややるべきことに継続的にチャレンジすることが、ローカライズされたビジネスを作ることができ、変な理想にこだわるよりも地に足がついたものを生み出せるのかもしれないと思います。

「農家じゃなくて農業全体で考えてみたら」
地方の場合、とかくスモールビジネスやファミリービジネスなどに限定しがちだけど、それだと元々マーケットが限られている地方では、不可能に思えるかもしれないが大きな枠で考えていく方がサステナブルです。本書では、それを実現するには「みんなの力を借りる」「みんなで考えてみんなで行動する」「いろんな人の話を聞く」人が成功しやすい、と書かれていました。

「応援したい」「この人に頑張って欲しいな」と思えるかどうか
本文内で「出張日本酒バー」という飲み屋のない過疎地に、お酒を持って出張して一緒にお酒を飲むという事業の話が出てきます。書類では事業として成功するか判断できな場合でも、自治体職員がどういう基準で地域に活動する人を選抜するか、という脈略の中で述べられていた言葉です。
地方で事業として成立するかは、最終的にそのように新しい事業を作るプロセスを地域の人といかに共有できるかが大事なのだなと思いました。

「地域には資本主義が足りない」
まさにその通りで、地方は「稼ぐ」ということをネガティブに捉える空気を感じることが多くあります。生産性を高め、合理的な判断で売り上げをあげる、そこをしっかりやらないと、過疎化や高齢化が加速するばかりです。「稼ぐ」ということにこだわり、そのための努力をひたすらする、そのような空気をベンチャーとして作っていかないといけないと思いました、

牧さんが取り組んでいる、循環する経済圏の取り組みは、非常に正しいと思います。
少子高齢化という課題を一つ取っても、あらゆる課題と密接に関わっており、単純に子供を増やせば良いという問題ではないです。教育や医療、そこに生活するためのインフラや空き家問題、仕事、子育てしやすい環境などなど、課題とはあらゆる前提や要因と絡み合って表出しているのであり、一つを圧倒的に解決しても、全体がワークしないというケースは多分にあるのかなと思っています。
なるべく引いた状態から、包括的に絡み合う課題を繋いで、串刺しにできるかが大事で、多様な起業家やアクティビストが連携したり、行政との環境づくりが大事だと思います。

またコミュニティは今後は必ずしも数が多ければ強い、という時代ではないということを再確認しました。1,500人の人口でも数十億のビジネスを生み出せるということは、コミュニティの一人一人が課題に真剣に取り組んだ結果だと思います。つまりコミュニティの数よりもそこにある熱量の大きさ、ベンチャーマインドがあれば不可能なことはないんだ、ということです。
むしろマインド共有してスムーズに連携できる小さいコミュニティ(地域)は、経済的にも物質的にも豊かになった「なめらかな社会」を実現しているのかもしれません。

ローカルベンチャー 地域にはビジネスの可能性があふれている

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