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シニアフレンドリーなサイト:デザインで考慮すべき8つの点

2020.11.20  Wrote by Takuro Nakayama

ある調査によると、25歳から60歳までの間に人々のウェブサイトを利用する能力は毎年0.8%ずつ低下していくということです。

ターゲットがシニア世代の場合、Webサイトを作成するにあたり、従来のデザインとは異なる視点でのユーザビリティを念頭に置く必要があります。当社でも時々、シニアがターゲットのサイトを作ることがあり、シニアの方が快適にWebサイトを快適に利用していただくために、制作側が考えておくと良い点をまとめておきたいと思います。

 

60代のインターネット利用率は80% を超える

高齢者のインターネット利用率(令和2年)によると、国民全体の利用率83.4%に対して、60~69歳でインターネットを利用している割合は82.7%と80%を超えています。新型コロナ禍もあり、この数字はより高くなっていると思われます。

<出所> 総務省「2020(令2元)年『通信利用動向調査報告書世帯編』統計表一覧」,2020(令和2)年9月実施

当然ながらシニアの消費行動もアナログからデジタルへ移行しつつあります。消費活動も活発な世代ですから、若い世代だけではなくシニア世代もサブターゲットとしてしっかり取り込んでいくことが、とても大事です。

 

シニア世代におけるユーザービリティの課題

ほとんどのWebサイトは若年層をターゲットにしてデザインされている場合が多いです。結果として多くのWebサイトやアプリは、視力の悪い人には不親切な作りになっていると言えます。そして「読みやすさ」は年配のユーザーにとっても長年の課題です。文字が細かったり、色が薄いと読みづらくなります。

その他にボタンやドロップダウンが高齢者にとってはクリックやフリックがしにくいとか、タイプミスなどによるエラー表示に対する対応がわからない、サイトのデザイン変更に伴い使い方が分からなくなるなど、若い世代を想定して作られたサイトでは問題ないことが、シニア世代にとってのユーザビリティの課題になっています。シニア世代の特徴的な傾向を理解しておくことは彼らが安心してインターネットを利用し、シニア市場を開拓する上でも重要なことです。

シニア世代を意識して作られたサイトを「シニアフレンドリーなサイト」と言うようです。シニア世代の特徴として、以下の特徴を理解しておくことが大切だと思います。

 

1.若い人よりもインターネットの情報に抵抗感がある(不安を持ちやすい)

2.インターネットやパソコンに対して苦手意識がある

3.カタカナ用語やアルファベットに弱い

4.加齢による認知能力の低下が起こりやすい

5.記憶力などの低下

6.新しいことを試すのに抵抗がある

7.タスクを遂行するのに若者より時間がかかる

 

シニア世代が抱えている課題にしっかり寄り添ったUIデザインは、結果的に全ての人たちに優しいWebの世界を実現できますので、ぜひ理解しておきたいところです。

 

 

シニアフレンドリーなサイト:デザインで考慮すべき8つの点

1.フォントを16 px以上にする

シニアの方が読みやすいフォントサイズは16px以上とされています。よく言われていることですが、基本的なところは抑えたいです。

 

2.字間や行間を、広げて読みやすくする

文字を大きくしても字間や行間がないと読みづらいものです。逆に字間や行間があると、多少フォントサイズが小さくても読むことができます。

 

3.カタカナ用語やアルファベットを多用しない

若い世代であれば問題ないキーワードも、シニア世代にはあまり知られていないという場合もあります。もともと外国語に馴染みがない方たちが多い世代ですから、なるべく日本語で伝えるようにするなら、ファーストインプレッションで「分かりにくい!」と思われないですみます。

 

4.色のコントラストをしっかりつくる

視力の衰えが起きがちなシニア世代にとって色はとても大切な要素です。コントラスト比が低ければ、コンテンツを見るのにストレスを感じます。

色に意味を持たせたようなデザインや色の違いに依存したデザインは、シニアフレンドリーなサイトとは言えません。人間の色覚の多様性を理解したコントラスト比の色を使うことにより、高齢者にも色覚障害者のアクセシビリティに配慮したWebサイトを作ることができます。

【カラーユニバーサルデザイン(CUD)】色覚障がい(色弱)に配慮したwebサイトを作ろう

 

5.クリック/タップがしやすいボタン

まずシニア世代にとってボタンだと認識しやすいデザインであるべきです。「押せることがわかる」ようにしましょう。そして最近はスマホやタブレットで使用している人も多いことを考えると、クリックやタップがしやすいボタン配置が必須です。小さいよりも大きい方がベターです。近接したところに他にクリックできるものを置かないようにし、なるべくタッチミスがおきないよう設定しましょう。

その他、ピクセル単位のマウス操作やタップなどが要求されないようなデザインをすることにより、認知に時間がかかることや、マウスやタップでの誤操作を防ぐことができます。

 

6.サイトの動きは最低限に抑える

シニア世代にとって、テキストを読んで内容を理解するのに若年層より時間がかかる傾向があります。また急激な動き自体が高齢者にとってはストレスな場合も多いようです。

スライドの動きもできるだけ少しゆっくりめの方が表示が切り替わっていることを認識してもらえて、不快感を抑えることができるようです。

一般的に若い世代でもアニメーションが勝手に再生されたり、予想していない動きはストレスになりますし、過剰すぎる動きはコンテンツ閲覧を邪魔したり、ユーザーを注意散漫にする可能性が高いです。

 

7.具体的な指示や説明テキストを加える

アイコンなどには必ずテキストを添えることにより、「アイコンの意味がわからない」と不安な気持ちにさせないで済みます。

またボタンやバナーなどには、クリックすると「どうなるか」を具体的にわかるような文章を加えましょう。例えば「こちらをクリック」よりも「詳細を読む」、「会社概要はこちら」、「商品詳細ページへ」などの方が具体的ではないでしょうか。

 

8.一貫性のあるUIデザインを行う

一貫性がなくなるとユーザーは自分は戸惑って不安を覚えます。

 

・ボタンの種類が一貫していない

・バナーをクリックしたらバナーで使われていたのと異なる画像が表示さる

・ページタイトルなどのキーワードや言葉がページにより異なる

・意味合いが通じないアイコンを使っている

などの一貫性のないUIデザインは高齢者に不信感を与えてしまいます。

またWebサイトのリニューアル時などは特に注意が必要です。シニア世代がよく使うWebサイトでの抜本的な変更があると、従来慣れていた流れから、新しい流れを理解するのに時間がかかる可能性があります。

オンラインストアなどでの購入フローや会員登録の手順など、シニア世代がつまづきやすい流れについては、可能な限り一貫性を維持することで、シニア世代の混乱を防いでサイトに関する問い合わせを減らすことができます。そのためには初期の段階からUI/UX設計をしっかり構成することにより、将来的な大幅な見直しの必要性を減らすことができます。

 

シニア世代をターゲットにしたサイト事例

シニア世代に寄り添ったサイトをいくつかピックアップしました。だいぶ若い世代向けのサイトとは異なりますが、上記のポイントをだいたい抑えていているような気がします。

 

サントリーウェルネスオンライン

https://www.suntory-kenko.com/

健康食品の通販サイトとしてシニア向けに作られていると思われるサイトです。ブランディングやデザイン性よりターゲットにいかにわかりやすいかを重視して作られていると思います。

 

通販生活

https://www.cataloghouse.co.jp/

通販生活のWeb版。文字の大きさ、ボタンのわかりやすさなどターゲットに対して、全てがシニア向けに作られていて、わかりやすさを追求したサイトになっていると思います。

 

サライ

https://serai.jp/

シニア向けの読み物に徹したサイトです。読み物が中心ですが、ネットショップへの誘導もあり、シニアがどんなコンテンツに興味があるのか読み取ることができます。

 

趣味人倶楽部

https://smcb.jp/

コミュニティサイトのつくり方として参考になるサイトです。カテゴリーによっては投稿が頻繁にされているようであるが、SNS世代のようにネットでつながるのは難しい印象がしました。

 

まとめ

シニア世代はすでにマイノリティーではないということを考えると、シニアフレンドリーなUIデザインは大切です。さらに高齢化が進む日本ですので、シニア世代のオンライン市場でのターゲットは増えることは確実です。

またシニア世代のユーザーは忠誠心が高いのでLTV(ライフタイムバリュー)も比較的高いと言われています。もしシニア世代の人へのユーザー体験の満足度が高ければ、安心してもらえて、より長い期間、ユーザーとなってくれる可能性が高いので、ビジネスマーケティングの観点でも重視すべき施策です。

重ねて言うとシニアフレンドリーなサイトは、誰にとっても見やすくて使いやすいユーザーフレンドリーなサイトと言えます。UIデザインやUXデザインの際にシニア世代に対しても想像力を引き伸ばしていきたいと思いました。

 

参照サイト

高齢者のユーザビリティ:課題と変化

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