テクノロジーやマーケティング、トレンド、カルチャーなどのニュースをMonthlyで紹介する本シリーズ。2026年6月に社内で話題になったTOPICをダイジェストします。Weeklyで更新を予定していきます。
MicrosoftのCEOのサティア・ナデラがXでAI時代の企業論を長文で公開
1. AIは過去のプラットフォームシフトとは違う
- AIは単なるプラットフォームの変更ではなく、人とデジタルの真の認知ループになる
- 組織がどのように差別化を図り、繁栄していけるのか?
2. Human CapitalとToken Capital
- 人的資本:従業員の知識、判断力、人間関係、創意工夫、パターン認識能力
- トークン資本:企業が構築・所有するAI能力
- トークン資本が増加しても、人的資本の価値は高まる。
3. 学習は委譲できない
- タスクは外部委託できるが、学習は決して外部委託できない。
- 企業の未来は、人とAIの間で学習を複利的に増加させる能力にかかっている。
4.企業が作るべきもの
- 企業はワークフロー、ドメイン知識、蓄積された判断を、使用するたびに改善されるAIシステムへと変換する必要がある
- プライベート強化学習環境では、組織内部の実際のデータに基づいてモデルを強化し、その知識ベースによりトークンの使用効率が向上する、このループこそが、企業の新たな知的財産
- 重要なことは最先端モデルではなく、最先端エコシステムを構築すること。
- 企業も従業員も、自社と経済全体に価値を生み出すべき
AI時代において企業の競争優位はモデルに依存するのではなく、自社の学習ループにこそ知的財産があり、企業はそのループを自ら所有し、モデル企業に価値を吸い上げられない主権を持つべきである、という主張です。Frontier Modelではなく Frontier Ecosystem を作れというのも、今後の企業価値がどのように測られるかを示していると思います。
AIモデルにオーナーシップを奪われないようなビジネスサイクルを作るためには、より人それぞれの持ち味を活かした組織づくりと、学ぶことをチームで楽しむカルチャーに経営が注力しなければいけないと感じました。
まさに「タスクは外部委託できるが、学習は決して外部委託できない。」ということです。
1~5月の経営コンサルティング業の倒産・休廃業解散の累計が前年同期比11%増の242件
コンサル倒産・休廃業が過去最多242件 1〜5月、帝国データ
- 倒産は74件(前年同期比7%増)、休廃業・解散は168件(前年同期比13%増)
- 専門性による差別化を図れない事業者は、AIの下押し圧力に耐えきれず、今後さらに淘汰が加速する
ベーシックなリサーチや分析はAIのスピードとコストに太刀打ちできないため、専門的なスキルと現場を理解し、成果にコミットできるコンサルが求められています。つまりAIも自律的に実行するレイヤーへ移行している以上、人も単に戦略を提案するだけではなく、面倒な社内調整や現場の抵抗に対して「人を動かす」実行力でしか差別化できません。未来を予測できない以上、「PowerPointではなくProductを作れ」のように、作りながら考え、組織が未来へ移行するプロセスそのものを可能にするイネーブラー(Enabler)が生き残るのではないかと思います。
スターバックスが日本事業の売却を検討
- 売却額は4000億〜5000億円規模
- 日本事業単体での新規株式公開(IPO)も選択肢
- 要因は米国事業の不振
昨年は中国株式の過半を売却しており、スターバックスにとって日本は最大の海外市場です。アメリカでの大規模な事業再建を進めているスターバックスにとっては、成熟した日本市場を手放して資金調達を行うという選択肢は十分合理的です。
以前にサザビーリーグの持分を買い取って完全子会社化した経緯があるため、日本展開を牽引してきたサザビーリーグが中心となり買い戻す可能性もあります。また、日本のオペレーション力を考えれば、日本のスターバックスがアジア事業を担う展開すらあり得るかもしれません。
Claude Fable 5、Mythosクラスモデルを一般公開
Claude Fable 5 and Claude Mythos 5
- Claude Code と Cowork で利用可能
- 特定のトピックのクエリは Opus 4.8 から応答する
- Mythos 5はFable 5と同じ基盤モデル
- Mythos 5へのアクセスも防御的なサイバーセキュリティ業務を中心にアクセス拡大する予定
- 以前のモデルではポケモンをプレイするために複雑な補助ハーネスが必要だったが、Fable 5は視覚情報だけでゲームをクリアした
- Fable 5はPro、Max、Team、Enterpriseプラン、Claude APIを通じて利用可能
モデルも新たなフェーズに入ったと感じます。
Z世代ではInstagramが新しいLinkedInとして使われている
‘Instagram truly is the new LinkedIn’: why gen Z is using social media to get hired
- LinkedInによると、世界の採用率は5年ぶりの低水準、求人1件あたりの応募者数は30%近く増加。パンデミック以来、雇用市場の低水準に
- オンライン上で何らかのプロフェッショナルな存在感を示すことは、実在の人物であり、確かなスキルを持っていることを示すのに役立つ
- Instagramが新しいLinkedInとしてZ世代に活用されている
求人サイトなどからのエントリーでは見えない個性やクリエイティビティを確認できる場として、SNSやマッチングアプリ上での採用が今後増えていくかもしれません。
政治家のBernie SandersがAI用の政府系ファンドを提案
Bernie Sanders: A.I. Is a Public Resource. You Should Own Half of It.
- AIは企業がゼロから作ったものではない
- 人類が長年蓄積してきた知識を学習している
- AI企業はその価値を独占している
- AI企業に対し一度だけ株式の50%相当を課税し国民ファンド化
- このファンドから得られる利益を医療、教育、住宅、ベーシックサービスなどに利用する構想
AIによって生まれる富と権力をどうコントロールするか。今後、各国で議論が活発化していくテーマになりそうです。
※本記事では一部でClaude、ChatGPT、Midjourney、DALL-E3などの生成AIを活用して作成しています。