OpenAI、サム・アルトマンのCEO解任騒動は何だったのか?

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Open AIでの一連の社内クーデターが連日、衝撃的な展開を見せていました。2023年11月17日(現地時間)、突然のSam Altmanの解任がリリースされ世界に衝撃が走りました。

解任騒動の流れ

  • 11/17(現地時間)、Sam AltmanとGreg Brockmanの解任を発表。解任理由はSam Altmanが取締役会に対して常に率直でなかったと判断し、彼のリーダーシップを信頼していない、というような曖昧な内容
  • MicrosoftのCEO Satya Nadellaが介入
  • OpenAI取締役会、Sam AltmanとCEO復帰を協議
  • Sam AltmanとGreg BrockmanがOpen AI取締役に復帰するという噂が出る
  • 急展開し2人はOpen AIに戻らず、Microsoftに入社し新たなチームで新しいプロダクトを発足するという話をSatya Nadellaが発表
  • 11/20(現地時間)には、OpenAIの750人従業員のうち95%以上がSam AltmanがいないOpenAIから退職することにサイン(今回のクーデターの首謀者でもあるIlya Sutskeverもサインしていたようで、混乱ぶりが露呈)
  • 11/21(現地時間)、Sam AltmanがOpen AIのCEOに就任すると発表、体制を一新

このようにOpen AIの一連の騒動は、落とし所としてあるべき形に落ち着いた形になりました。

人間を超える自律したシステムに対する懸念

その後の話で、OpenAIは数学的推論能力を備えた新AI「Q*(キュースター)」の開発が進んでいたと報告されました。

Q*は、汎用人工知能(AGI)の研究における重要な進歩をもたらす可能性があり、Sam Altmanの解任騒動の一因になった模様です。Altmanは解任騒動の直前に、サンフランシスコで開催された世界首脳サミットで、大きな進歩が目前に迫っていると信じているとほのめかしていました。

Q*は、通常解読不可能とされるAES-192ビット暗号をAIで解読する可能性があるとされており、従来量子コンピューティングにのみ可能と考えられていた暗号解読を実現する可能性もあると言います。

AGIとは何か?

AGI は一般化、学習、理解することができ、人間を超える自律したシステムと定義されています。 Sam Altmanはスピード・スケールを優先し開発を進めており、AGIについて理解する前に進歩を商業化することへの安全性を懸念する慎重派と対立したことが原因のようです。

直近の開発者向けのイベントで発表された「GPTs 」は簡単に誰でもGPT4の能力を最大限に使って開発可能にしており、社内の慎重派からの反対意見が出るのは当然なのだと思います。

Open AI騒動から色々な学びがありました。

組織運営

OpenAIは技術やIP等を保持している非営利団体が頭になり、その取締役が子会社営利団体を運営している形です。これはAIの課題に営利に捉われず考えるための仕組みとしてこのような体制になっていると思いますが、非営利団体には所有者、株主が存在しないため、今回のように数人の取締役会の中だけで全てが決まってしまうという構造上のバグが発生したということになります。

しかしOpen AIは単なる一企業ではなく、一つのプラットフォームになっています。Chat GPTを基盤にしたサービスが作られており、多くのスタートアップが資金調達したくさんの雇用を生み出しています。またそれに対して出資するVCや個人投資家などもいて、Open AIを中心としたエコシステムの経済圏は巨大になっておいます。今後見込まれる市場性、そこに関わる労働や資本を投資している人たちなどのステークホルダーが多く、与える影響の範囲が甚大です。

実際、今回の騒動で兆円単位の金を投資しているMicrosoftに通知されたのはリリースの1分前だったようです。

95%の従業員が退任することを意思表明しても騒動の要因である3人の取締役は取り除けず、コントロールがかなり独裁的になってしまうというのは今後のAIプラットフォームの運営側に対する不安材料になります。このようなバグに今後どのような体制に向き合うのかは注視する必要があると感じました。

Satya Nadellaの強かさと凄さ

またこの騒動で、Microsoft CEO Satya Nadellaは、自らこの騒動に入っていってオーナーシップをとり、短期間でOpenAIの人材と技術の囲い込みを行いました。最終的にはSam AltmanとGreg Brockmanとのパートナーシップを日本では考えられないスピードでまとめ上げた交渉力と判断力には、Microsoftの時価総額をここまで大きくしてきたSatya Nadellaの強かな面と凄さを改めて感じました。

Sam Altmanのカリスマと人間力

Sam Altmanは大きなビジョンを持ってOpen AIに優秀な人材を集めてきた人です。多くの従業員がSam AltmanのいないOpen AIを拒否したことは、Sam Altmanのカリスマ性が理解できますし、彼のビジョンに共感していること、そして彼の人間性を表しているように思います。

確かにAIの開発について懸念点はたくさんあり重大な問題もあります。でも誰かがこれを先頭に立っていく必要があり、今現時点でSam Altman以外に、リスクも受け入れながら大きなビジョンで人を動かしていける人はいないのではないかと改めて思いました。

個人的にはAIの開発に関しては、止められない状況だと思います。それは技術は既にあらゆるところで進んでおり悪意のあるAIもあり、それに対抗していく必要があるからです。世界的に開発のスピードを早め、AIの能力を上げることは結果的に多くの人を助けたり、人類の未来に貢献することにつながると思います。

OpenAI Leaders’ Efforts to Bring Back Altman Reach Impasse Over Board Role

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