ESG投資の増加から新しい企業のあり方が見える!

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ESGとは何か?世界の投資がESGに向かうのは何故か?

ESGとはEnvironment(環境)、Social(社会)、Governance(ガバナンス=企業統治)という観点から企業の持続可能性を評価し、投資するための指標で、従来の業績や財務状況に応じて投資するものとは異なる視点で企業を評価する指標になっています。

今年の夏もそうですが、世界各地で洪水や熱波などの異常気象が続いており、気候変動や環境問題への関心た高まるばかりです。
特に環境意識が強いヨーロッパや、環境政策を推進するバイデン政権が誕生したアメリカでは、企業の環境への取り組みが増えています。
元々企業はCSRとして環境問題に取り組んだりしていましたが、どちらかというとイメージアップだったり、パフォーマンスの側面が強かったものです。そもそも営利企業にとって環境などへの取り組みはコストでしかなかったからです。

 

ESGは企業にとってメリットが多い

しかし現在は多くの企業の考え方が変わってきています。つまりESGは企業にとってメリットがあるとわかってきたのです。
その一つのきっかけがマッキンゼーが発表した「ESGが価値を生み出す5つの方法(Five ways that ESG creates value)」という論文があります。
そこには環境への取り組みが営利組織としても非常にメリットがあるという分析レポートを発表しています。そこではESG投資では5つの観点から価値を生み出せるということを主張しています。

 

5つの価値

  1. 収益増加
  2. コスト削減
  3. 規制および法的介入の削減
  4. 従業員の生産性の向上
  5. 投資と資産の最適

 

価値を具体的にあげると、「収益増加」の部分では、マッキンゼーの実施したアンケート結果が公表されていて、「消費者の70%以上が、環境に配慮した商品であれば、同等の性能基準を満たしている非環境製品よりも、5パーセント多く支払う」と回答したとのことです。

またユニリーバーの食器洗剤のサンライトは他のブランドよりもはるかに少ない水で食器を洗える商品ですが、水資源が乏しい地域で他の製品よりも20%多く売れたということです。

3Mは1975年から製品の再編成、製造プロセスの改善、機器の再設計、生産からの廃棄物のリサイクルと再利用などの取り組みを通して22億ドルを節約したとか、ある大手の水道事業者は、無駄のないよう改善することにより年間約1億8000万ドルのコスト削減を達成したという事例が紹介されています。

このように色々ESG投資にはメリットがあることが知られることになり、自治体での民間企業の選定にESGへの取り組みが評価基準に取り入れられたり、企業も独自なアプローチでESG投資を始めています。例えばセールスフォースは新役職「海洋サステナビリティ責任者」を発表し、国際的な海洋保全の動きに営利企業が参加するという形で、いろんな繋がりや規制回避など、長期的なベネフィットを見据えた動きが見られます。

(参考記事)セールフォースが新役職「海洋サステナビリティ責任者」設置、企業が環境取り組みに投資すべき合理的理由

 

消費者の意識の変化

新型コロナウイルスの影響もあり消費者側も企業を比べる際に大きな変化が生まれています。
ある調査では米国の57%の人が「人種間の平等を支持しない企業やブランドは支持しない」と言っています。また「ESG」検索者は20代が多く、「ESG」関心層はZ世代が中心であるという話もあります。

(引用:ESG投資への関心はミレニアルやZ世代が中心… アーリーアダプターからの育成が投資拡大の鍵か)

 

消費者の意識の変化や各国による環境問題への優遇措置など、企業がよりESG投資を加速させることになります。D2Cブランドなどでもリセールをやるのが当たり前になってきており、パタゴニアは国内初の古着専門店をオープンさせていましたね。

(引用:パタゴニアが渋谷で“国内初の古着専門店”を開いた理由…「必要ないモノは買わないで」)

 

数年前にはあまり見られなかった動きがグローバルに起きていて、やがて一般の人たちの生活にも浸透してくることになります。私たち企業はそのような時代を見越して、自社の事業を変化させていく必要があります。

明らかにESGとDX(デジタルトランスフォーメーション)はリンクします。単に社内をデジタル化するということではなく、よりビジネスモデル自体を変革していくことがDXの重要な部分になります。

(参照)Five ways that ESG creates value – McKinsey

(日本語版)ESG経営から育む 価値創造の5つの方向性 – McKinsey

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