【2023年2月ダイジェスト】2022年のブランドによるリブランディング事例/Twitter、APIを有料化へ/Instagramが新しい配信機能「Channels」をローンチ/汎用人工知能(AGI)の未来 etc…

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テクノロジーやマーケティング、トレンド、カルチャーなどのニュースをマンスリーで紹介する本シリーズ。2023年2月、社内で話題にしたトレンドをご紹介できればと思います。

ダイジェスト

デジタルデバイスを意識したリブランディング事例

AudiのLOGOリブランディング例

2022年にリブランディングを行った12のブランド

全体的にシンプルでフラットになっている傾向を感じます。より多様化するデジタルデバイスへの対応とサステイナブルなブランドを各社意識していることが見えます。

多様な業界で、主張が強いロゴよりも、「透明性」や「フラット感」のある方向へ変化しているのは時代の変化とブランドやメーカーの顧客接点に対する考え方に対する姿勢が見えると思いました。

Twitter、APIを有料化へ

Twitter、APIを有料化へ 無料提供は9日で終了 「詳細は来週発表する」

イーロンマスクがCEOに就任以降、マネタイズ手段として有料化の方向に進むTwitter。今回は企業やサービス提供事業者に提供していた、APIについて有料化を発表しました。

APIとは、プログラムとプログラムの間で情報をやりとりするための手段です。例えば、TwitterのAPIを使うことで、メディアやサービスはツイートを表示したり、Twitterアカウントでログインができるサービスを作ることができていました。しかし、今後TwitterはAPIを有料化するため、そのデータを使うためには企業やサービスは有料となります。ただし、個人でTwitterを使っている場合には、今まで通り無料で使うことができます。

完全なバーチャルで活動するガールズグループが登場!

K-POP×バーチャルは一大ムーブメントに? 「MAVE:」はaespaの成功を踏まえ“現実と仮想世界の垣根”を超えられるか

新たなK-POPガールズグループ「MAVE:」がデビューを果たしたというニュースですが、MAVE:の特徴は、完全なバーチャル上の存在ということです。

親会社にあたるネットマーブルは、ブロックチェーンゲームやメタバース開発をしており、自社のコンテンツと連動させながら、市場拡大のためのコンテンツにしようとしていると思われます。今後このように完全バーチャルなキャラクターやアーティストが増えてくると思いますので、どのように展開していくのか注目です。

Googleが、ChatGPTのライバル「Bard」公開へ!

An important next step on our AI journey

Googleが焦って発表した感のあるChatGPTに対抗した「Bard」。Google製の会話型AIチャットサービスです。Bardは情報をWebページから取得するということが特徴です。Bardはまだ一般公開されていませんが、数週間以内に誰でも利用できるようになる予定ということです。

ChatGPTも同様ですが、この分野のAIについては、懸念として、学習で利用するWeb上にあるコンテンツの不正使用、AIによる偏見、文化の不正使用の可能性について、今後も注目する必要がありそうです。

Microsoftが正式にChatGPT付きの検索エンジンBingを発表

Microsoft announces new Bing and Edge browser powered by upgraded ChatGPT AI

AIに関する各社の更新が早い。MicrosoftがChatGPTに対応したBIngを発表し、エントリーを受け付けています。 GPT 3.5 をベースにして強化されたモデルを活用しており、人間的な会話のやりとりで検索を回答してくれて、オンラインでの情報検索の新しい体験を提供することが目的のサービスです。

OpenAIへの出資などで強力なパートナーとしてMicrosoftがどのようにChatGPTを取り込むのかは注目されていましたが、ほとんど消滅しかけていたBingがこれによりどれくらい復活するのかは不明です。

一方、Google にとっては嫌なニュースリリースだと思います。ChatGPTのリリース以降、Google内部では「コードレッド」が発令され、創設者の Larry Page と Sergey Brin がカムバックするなど、AI戦争がより激しさを増しています。

スマイルズ遠山正道氏の社長退任

スープストックトーキョーを立ち上げたスマイルズ遠山正道が社長退任

スマイルズの遠山正道氏が社長を退任し、野崎亙氏が取締役社長に就任するというリリース。スマイルズの事業にも個人的に興味があるのはもちろん、野崎亙さんがデザインコンサルティング出身で、2011年スマイルズに入社後、「100本のスプーン」のリブランディングや「PAVILION」、六本木の「文喫」などプロデュースを手掛けてきた方ということで、すごい理想的な事業承継だなと思いました。

魅力ある事業を作ってきたファウンダーがどのようにブランドを引き継いでいくのか、どのように人を育て、バトンを渡していくのか、とても参考になります。

随分前から並走させてもらい、長い助走の末に、スマイルズの轍と目指す景色がおぼろげながら見えてきた気がします。これからもまっすぐには進まずに、迂回しながら、時には羽ばたきながら、時には潜りながら、『誰にも似てない』やり方で新しい轍を築きたいと思います。その先に目指したかった景色があるはずだと信じて

野崎亙氏コメント

【2023年】AlphaからZ世代のデジタルネイティブのデジタル利用レポート

どの国もTikTokが圧倒的シェアを持っている

From Alpha to Z:raising the digital generations

アルファ世代からゼット世代のデジタルネイティブがどんな風に日常でデジタルを活用しているかを調査したデータのレポートになります。日本のものではありませんが、グローバルな傾向がよく分かるレポートになっています。TikTokはGlobalで圧倒的1位となっており、若者離れしているとされているFacebookが2位とランキングに入っているのが意外でした。

経産省、日本のweb3の現状認識と未来ビジョンを示した資料を発表

Web3.0事業環境整備の考え方(PDF)|大臣官房 Web3.0政策推進室

2022年12月に発表されていたようですが、経産省のweb3の現状認識が正確でかつ冷静に受け止めながら、ブロックチェーンや周辺のテクノロジーが日本の経済に与えるインパクトのイメージがいろんな角度からまとまっていてとても良い資料だと思いました。

特にSociety5.0などと組み合わせるあたりは、他の省庁とのあゆみを揃えて枠組みを固めるための日本らしい資料だなと感じましたし、あらゆるロジックを使ってweb3の社会実装を仕掛けている感じと、日本全体として取り組むという姿勢が見られて、日本の官僚の優秀さと情熱を感じました。

Louis Vuittonのメンズウェアの新クリエイティブディレクターはPharrell Williamsに決定

@louisvuitton

2021年11月にヴァージル・アブローが亡くなって以来、ルイ・ヴィトンのメンズ・クリエイティブ・ディレクターのポジションは空席のままでしたが、新しいクリエイティブディレクターにファレル・ウィリアムが就任したというニュース。LVMHブランドのKENZOのクリエイティブ・ディレクターのNigoなどと接点があったり、LVMH傘下のティファニーのリブランディングに参加したりと、ルイ・ヴィトンを擁するLVMHグループとは縁があったファレル・ウィリアムの起用は個人的には好感を持ちました。

そして老舗ブランドでありながら新しいカルチャーを貪欲に取り込み、新しい時代に向かって進化しようという意気込みを感じるニュースでした。

中国製アプリがアメリカを席巻

SHEIN、アメリカでマーケットプレイスをリリースか?

Shein Marketplace Is Coming to the U.S.

SHEINは今や世界で最もダウンロードされているショッピングアプリとなっています。今回のニュースで取り上げられているマーケットプレイスについては既にブラジルとメキシコでリリースされており、いよいよUSでのリリースが見えてきたことを表しています。

Temu、売上成長率がSHEINを超える

Temu: The Fastest Growing Marketplace You’ve Never Heard Of

中国のPinduoduoが開発するディスカウントオンラインマーケットプレイス「Temu」の売上成長率が売上は毎週2桁以上成長しているという記事です。リリースから3ヶ月で、すでにSHEINの半分のWeekly Active Userを超えているという記録的な成長をしているようです。ファッションだけでなく、家庭用品、電化製品、電化製品までも販売しており、SHEINよりも商品の幅が広いためリーチが伸びやすいことや、Amazonにはない少額融資などもあり、購入単価は低いものの、爆発的に売上を伸ばしておりSHEINを超える可能性が高いです。

アメリカと中国は政治的な対立を続けながら、TikTokについて排除する方向に突き進めるアメリカ。一方でマーケットでは中国アプリがランキング上位を占める、というこのコントラストが興味深いと思いました。またサステナブル文化が持て囃される一方、ファストファッションや商品サイクルの短い商品が売れている現実も二極化する、経済や社会の分断というものが見える気がしました。

Instagramが新しい配信機能「Channels」をローンチ

Instagram launches a new broadcast chat feature called ‘Channels’

Reelsが好調なInstagramとしてクリエイターがファンコミュニティと関係構築するツールとして新たにリリースが告知された、「Channels」。新たなマーケティングツールとしてクリエイターに訴求していくと考えられます。Zuckerberg によると、Facebook と Messenger にも拡張される予定です。

放送チャンネルに投稿できるのはクリエーターだけであり、フォロワーはコンテンツに反応して投票に参加することしかできない、ということですが、今後も機能追加の予定があるようです。日本でいつ実装されるかは現時点では不明です。

Forerunner Veturesが考える次のゲームチェンジャーは「人生を変える企業」

The Next Wave of Game-Changing Companies Will be Life-Changing Companies

Forerunner Veturesはリテールに特化したベンチャーキャピタルです。Glossier.やAway、Warby Parkerなどの初期のD2Cブランドへ投資してきており、リテールにおける消費者のニーズをよく理解している彼らが、今後の投資方針のニュースレター記事を紹介します。

主に消費者の2つの大きなユーザーニーズの流れがあるといいます。
一つ目は基礎的なニーズでメンタルヘルス、長寿、健康などのファンダメンタルなニーズです。

そして二つ目にノスタルジックな生活スタイル、つまり消費的豊かさから真の満足度へのニーズです。過去10年間は、デジタルの普及と羨望に駆られた消費主義が支配的だったところから、コロナ禍も経験し、人々は生活のより伝統的でアナログな部分を活性化することをますます求めているということです。それはZ世代においても同様で、彼らはオフィスワーク、DIY活動などにノスタルジーを感じているということです。

そうした消費者の中核的ニーズに対応するための 2 億 5,000 万ドルのファンドを立ち上げ、投資することを表明しています。次のゲームチェンジャーは「人生を変える企業」。投資家が、消費者の真のニーズに注目する時代になっていることがビジネス環境の変化も感じる記事でした。

YoutubeがStudioでポッドキャストを作成する機能のテスト

YouTube test features and experiments

YoutubeがStudio でポッドキャストを作成および測定する機能のテストしているというリリースです。動画に比べればユーザー数が少ないはずですが、Podcastの分野に関しては以前から関心を示していたようなので、リリース時期が近い可能性があります。ポッドキャスト領域にYouTubeがどれだけ本気かは不明ですが、ユーザーのエンゲージメントが高いと言われるポッドキャストを機能に入れることにより、より多くのクリエイターを囲い込みたいということなのでしょうか。

ChatGPTを開発するOpen AIのサム・アルトマン、汎用人工知能(AGI)の未来について語る

Planning for AGI and beyond

Open AIが実現している汎用人工知能(AGI)は想像以上に革新的で、それをどのように扱ってコントロールしていくかにかなり神経を使っていることがわかる文章だと思いました。

いくつか要点を書くと以下のような形です。

  • AGIの進化は誤用、重大な事故、社会的混乱の深刻なリスクを持っている
  • 現在ChatGPTのように「デフォルト設定」はかなり制限されているが、今後より自由にAIの動作を簡単に変更できるようにする予定
  • AI の安全性と機能を一緒に進歩させなければならない
  • 過去 10 年間に見られた進歩の速度を長期間維持する可能性が高い

より今後一般化するAIと人間の関わり方について、議論や理解が必要になってきており、個々でリテラシーを持つ必要があると感じました。

Microsoft、ChatGPTをロボットに組み込む

ChatGPT for Robotics: Design Principles and Model Abilities

ChatGPTをロボットに実装についてMicrosoftの開発チームによるレポート記事が公開されています。今まで複雑なプログラミング設計やロボットシステムで制御していたものが、人間の言葉を使ってロボットの物理的な動作を変更できるというデモが示されています。今後、ロボット工学システムの開発方法が変わることになりますし、多くの人がプログラミング言語やロボットシステムの詳細を学ぶ必要なくなるかもしれないですね。

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