【2025年7月】アメリカはテクノロジー分野では、AIと仮想通貨に集中/Open AI、ChatGPT エージェントをリリース etc…

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テクノロジーやマーケティング、トレンド、カルチャーなどのニュースをMonthlyで紹介する本シリーズ。2025年7月に社内で話題になったTOPICをダイジェストします。Weeklyで更新を予定していきます。

アメリカはテクノロジー分野では、AIと仮想通貨に集中

Technology & Innovation

アメリカの方向性を示すものとして、ホワイトハウスの「Technology & Innovation」の分野においては、シンプルにAI(人工知能)と仮想通貨(Crypto)に絞っていくことが示されています。

  • 経済と国家安全保障を強化するために、AIにおけるリーダーシップを維持し、行動を取らなければならない
  • AI研究への投資を倍増させる公約、史上初の国立AI研究機関の設立、民間部門におけるAI開発を統制する世界初のAI規制ガイドラインの発行などを行う
  • 米国を「世界の暗号通貨の首都」にすると約束
  • 戦略的ビットコイン準備金と米国デジタル資産備蓄の創設、戦略的ビットコイン準備金は、刑事または民事資産没収手続きの一環として没収された財務省所有のビットコインで運用される

多様なテクノロジー分野がある中で、フォーカスするテクノロジー分野としてAIと仮想通貨に絞るというのは、非常に振り切っていてアメリカらしいと感じました。

内閣府、Japan Dashboard(経済・財政・人口と暮らしに関するダッシュボード)とデータカタログを公開

デジタル庁公式「Japan Dashboard(経済・財政・人口と暮らしに関するダッシュボード)とデータカタログ」

Japan Dashboard

内閣府とデジタル庁が協力し、新たに「Japan Dashboard」と「データカタログ」が公開されました。

  • 2025年7月時点で、都道府県ごとのデータとして総計691の指標が提供
  • 今後は、市区町村レベルのデータ提供についても順次拡充が予定

デジタル庁の取り組みとしてあらゆるデータを可視化して、よりデータ駆動型の政策形成を促進する観点があり、とても有益な取り組みだと感じました。各自治体のデータもこのように可視化することにより、より民間のソリューションや市民のサポートを必要とする分野がくっきりしたり、課題を共有しやすくなるのではと思います。

Luckin Coffee、アメリカ上陸

Starbucks Faces a New Rival That Won’t Let Up

中国最大のコーヒーチェーンである Luckin Coffee ニューヨーク市内に初の2店舗を開店しました。スターバックスからわずか200フィートほどの立地です。

  • モバイルアプリ専用で注文・決済を行い、待ち時間も数分以内と非常にスムーズ。大幅割引やクーポン配布など、テクノロジー活用により低価格での提供を実現(ドリップコーヒーは$3.45)
  • 現在は全世界で24,000以上の店舗を展開。また、中国国内のシェアではLuckin が既にスターバックスを上回っており、スターバックスは価格戦略や新商品で対抗を進めている。

今まで中国に輸入されていたStarbucksが持ち込んだコーヒー文化を背景に成長したLuckin Coffeeを、逆にアメリカが逆輸入するという現象が、面白いと思いました。SHEINやTemu、TikTokなどのように、アメリカのカルチャーの中に中国企業が図太く侵入している点は、日本企業も学ぶべきところがあると感じました。

地下鉄に乗るロボット、セブンに荷物を配達

Robots in China are riding the subway to make 7-Eleven deliveries

中国深セン市では、41台の自律型四輪配送ロボットが、地下鉄に乗り降りしながらセブン‑イレブン店舗に荷物を届ける実験の動画が公開されていました。

  • 地上から地下鉄駅構内の店舗へ物資を届けるには、従来、渋滞や駐車の問題など効率面で課題をロボットによる配送で解決を目指す
  • 特にオフピーク時に効率的な運用を想定しており、将来的に約100店舗への導入が見込まれている
  • この試みは、深セン市が掲げる「ロボット導入都市」構想の一部であり、交通インフラとロボティクスを組み合わせたスマート物流の実現を目指している。
  • 開発・運用は、深センメトロの出資を受けたVanke(万科)傘下の物流会社が担当

物流のネックである配送リソースの確保に対する、一つのソリューションだと感じました。このように街中をロボットが行き来する未来がそう遠くないということを感じます。

Grok 4リリースで総収益が325%と急上昇

Grok’s AI companions drove downloads, but its latest model is the one making money

xAIが新モデル「Grok 4」のリリースにより、iOSアプリのダウンロード数は急上昇しました。

  • リリース直後には197,000件まで増加し、以前の52,000件から279%も跳ね上がりました。
  • Grok iOS 1 日あたりダウンロード数は、279% 増加
  • Grok アプリに「Companions(AIキャラクター)」機能が追加されたことにより、ダウンロード数はさらに40%増加しており、171,000件に達しました。
  • 同時期に収益も劇的に上昇し、iOSアプリの売上は7月11日に前日比325%増の約419,000ドルを記録

新モデル Grok 4 のローンチが強力な成長を牽引し、特に収益面で顕著な成果を上げています。AIキャラクター機能はユーザーの興味を引き、ブランディング効果になったと思われます。イーロン・マスクはこのようにソーシャル上で話題を作るのが本当にうまいなと感じました。

Open AI、ChatGPT エージェントをリリース

Introducing ChatGPT agent: bridging research and action

OpenAIは、従来のOperatorのウェブサイトとのインタラクション能力、ディープリサーチの情報統合能力、そしてChatGPTのインテリジェンスと会話の流暢さ3つの強みを融合した「ChatGPTエージェント」を発表しました。

主な特徴

  • ユーザーの指示に対し、プランニングから実行・成果物作成までを一貫して完了。例:「カレンダーを確認し、最新ニュースをもとにミーティング概要を作成」「複数の競合調査とスライド資料化」などが可能。
  • ウェブの閲覧・フォーム入力・ファイル分析・スプレッドシートやスライド生成まで複雑なタスクをこなせる。
  • ユーザーコントロール
パスワードや決済情報入力前には必ず許可を求める
  • GmailやGitHub等の外部サービスと連携し、メール・ドキュメント・コードリポジトリの参照も自動化。

Pro、Plus、Teamプランのユーザー向けに順次公開されるということです。AIエージェントが2025年の間でどれだけ進化するのか、注目です。

アメリカでは50歳以上ののゲーマーが全体の約3分の1を占めている

The Gardian

Gaming in their golden years: why millions of seniors are playing video games

最新データによると、アメリカではゲームをする50歳以上の人が5700万人いるという、興味深い記事がありました。

  • 50歳以上の年齢層は米国のゲーマー総数約2億500万人の28%を占めている
  • 60代と70代のアメリカ人のほぼ半数、80代でも36%が、PC、モバイル、または家庭用ゲーム機で毎週何らかのゲームをプレイしている
  • テトリスのような、パターン、シーケンス、空間レイアウトを記憶する必要があるパズルゲームは、視覚記憶と認知処理能力を向上させる
  • リングフィットアドベンチャーやホットスクワットのような身体運動を取り入れたフィットネスゲームは、 多発性硬化症患者において従来のリハビリテーションよりもバランス感覚を向上させる可能性がある
  • 「コール オブ デューティ」のような一人称視点のシューティングゲームを何時間もプレイした人は、脳の海馬領域の灰白質が減少する。一方、 「スーパーマリオ64」や「ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド」のような3Dオープンワールドを探索するゲームをプレイした人は、同じ領域で改善が見られた

高齢者がゲーマーの主流に加わるようになっているというのは、面白い未来だなと思いました。日本ではゲームをやることが、年代によってはネガティブに捉える傾向がありますが、より多くの世代でゲームを楽しむ時代になっていくのだと思います。

AIに店舗の運営を1カ月間任せたらどうなるか?

Figure 2: Basic architecture of the demonstration.

Project Vend: Can Claude run a small shop? (And why does that matter?)

Anthropicが「Claude」におよそ1カ月間、無人販売サービスの運営をAIに任せた社内実験「Project Vend」について公開しました。

  • Anthropicのサンフランシスコオフィス内で、小型冷蔵庫、バスケット、代金を決済するためのiPadで構成された小さな「店舗」の運営を任された
  • 在庫の補充、商品の値付け、利益の確保など、小規模な小売ビジネスの運営に欠かせない多くの複雑な業務を行うよう指示するシステムプロンプトが与えられた

結果として、店舗運営上では多くのミスを犯し、人間のマネージャーに期待される成果を下回ったようです。

主な失敗

  • 15ドルで購入できる商品を100ドルで購入したいという顧客の申し出を無視した
  • 多数の割引コードを提供するよう顧客から要望を受け、多くの人が提示価格を事後的に値下げすることを許し、いくつかの商品を無料で提供した
  • 実在しないアカウントへの送金を顧客に求めるという幻覚が発生した

うまくやったこと

  • オランダのチョコレートミルクブランドの Chocomel を在庫できるか尋ねられたときに、典型的なオランダ製品を販売する業者をすぐに見つけてきた
  • 機密性の高い商品の注文や、有害物質の製造に関する悪意のある攻撃をしっかり拒否した

結論

Anthoropicのレポートによると、AIのパフォーマンスは特に優れていたわけではないが、その欠点の多くは修正または改善できる可能性が高いと考えているようです。そしてAIによる中間管理職の誕生が近いことを示唆していると述べています。

非常に面白い実験で、AIが管理者となりビジネスの一部を担う日も遠くないような気がしました。

2025年の新潮流、ライブコンテンツのハイブリッド化

Netflix Explores Music Shows and Celebrity Interviews in Unscripted TV Push
The New York Times has a plan to get more videos from its stars: Let them cook

NetflixがSpotifyと提携し、音楽アワード番組やライブコンサートシリーズを検討しているというニュースや、セレブインタビューや短期制作ドキュメンタリーの展開も計画というランダムのニュースから、従来のオンデマンド配信から、リアルタイム性を重視したコンテンツへのシフトが起きているということを感じました。

専門性とエンターテイメントの融合

  • NYT Cookingが456百万回のアクセスを記録、YouTube登録者100万人突破
  • 教育的コンテンツ「Cooking 101」とエンタメ要素の組み合わせ
  • 信頼性のある情報源が視覚的エンターテイメントで収益化を図る動き

そして旧メディア人材の戦略的獲得の競争が起きています。

  • New York Timesが2020年のBon Appétit騒動後の優秀な料理系クリエイターを積極採用
  • 「YouTube対応スキル」を持つ人材の争奪戦
  • 伝統メディアがデジタルネイティブな才能を取り込む新しい人材戦略

AIによりコンテンツを簡単に生成できるようになり、そのようなコンテンツが広がる中で、よりリアリティを人々が求めており、スポーツやライブ、リアルタイム性のあるコンテンツが求められていることがわかります。

Figma上場申請書類を公開

FORM S-1 REGISTRATION STATEMENT|FIGMA, INC.

2025年7月1日、デザインツール大手のFigmaは、米国証券取引委員会(SEC)に新規株式公開(IPO)申請書類(S-1)を正式に公開しました。Figmaはニューヨーク証券取引所(NYSE)への上場を目指しており、ティッカーシンボルは「FIG」となります

Adobeによる約200億ドルの買収提案が規制理由で白紙となり、その後独自で上場を目指す形になりましたが、直近の業績では2025年1-3月期の売上高が2億2820万ドル(前年比46%増)、純利益は4490万ドルと好調な成長を示しています。

最近のAIへの取り組みもあり、デザインツールからAI機能を統合した包括的なプラットフォームへと進化を遂げてきており、上場後の成長も楽しみです。

※本記事では一部でClaude、ChatGPT、Midjourney、DALL-E3などの生成AIを活用して作成しています。

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